スマートフォンの大容量化に伴い、アダプタの持つ重要性が年々高まっています。
これは、短時間で如何に効率よく充電できるかという観点で、大容量なアダプタがあるかないかが求められているのです。
iPhoneやiPadでも、大容量のアダプタが付属していますが、サイズ的に重くて困っている方も多いのではないでしょうか?
そこで、最近注目されているのが窒化ガリウムを用いた充電器です。
では、窒化ガリウム充電器とは一体どのようものなのでしょうか?
ここでは、窒化ガリウム充電器について紹介します。
窒化ガリウムとは一体何?
まずはじめに、窒化ガリウムとは一体どのようなものかについて解説します。
窒化ガリウムとはガリウムの窒化物でであって、主に青色発光ダイオードの材料として用いられる半導体となります。
青色発光ダイオードとは、青色LEDとして有名で様々なものに用いられていますよね。
また、近年ではパワー半導体やレーダーへも応用されていて、ガリウムナイトライド とも呼ばれています。
窒化ガリウム自体、結晶構造を持っており化合物半導体と呼ばれる半導体の一種でもあります。
窒化ガリウム半導体を使ったデバイスは、一般的なシリコンパワートランジスタより小さく作り上げることが可能です。
よって、デバイスが小さいために電子が遠くに移動する必要がない点と、窒化ガリウム結晶中の電子の移動度が高いという特徴があります。
これにより、スイッチング速度自体が高速化できるというメリットがあります。
この特徴に着目して、最近では充電器として用いられることが多くなっているのです。
窒化ガリウム充電器とは?
窒化ガリウム充電器とは、その名の通り窒化ガリウム半導体を用いた充電器となります。
従来のUSB充電器やモバイルバッテリーで多く採用されてきたシリコン半導体と比較した場合、電気を通しやすく電力損失を抑えられエネルギー効率を改善することが可能です。
シリコンと比較して、窒化ガリウムのほうがスイッチングスピードが高速で、発熱も少ないという特徴もあります。
これにより、基板上の受動部品数を減すことで小型化につなげることができます。
従来は、さほど充電スピードは問わずに給電できれば十分であったのですが、スマートフォンのバッテリーが年々大容量化していることで、より短時間で如何に効率よく充電できるかが重要です。
そこで注目されているのが窒化ガリウムであり、決して新しい技術ではないのですが改めて注目を集めることになったのです。
窒化ガリウム充電器には、メリットとデメリットがそれぞれ存在しています。
窒化ガリウム充電器のメリット
窒化ガリウム充電器の最大のメリットとしては、サイズが小さくできるという点があります。
これは、先程説明したとおり窒化ガリウムであれば高出力であっても発熱が低いために、放熱する必要がなく小型化できるためです。
サイズを小さくしようとすると、どうしても基盤内で発熱するものがあると熱が逃れるスペースが無くなるために、大きくせざるを得ないという点がありました。
その点、窒化ガリウム充電器では、小型な半導体であっても高い出力が可能で、更に発熱も少ないために小型化が可能になっています。
現行のiPhoneで付属する充電器に対して、約1/3のサイズとなっているので、持ち運びも容易です。
出力レベルとしては、主流となっているのが60W前後であり、iPhoneやiPadだけでなくMacBookへの充電用としても十分活用可能です。
MacBookは、2018年モデルからThunderbolt3による充電が可能となりましたが、せっかく他のノートパソコンのように重いアダプタを持ち運ばなくても良くなったと思っていたとことで、意外とかさばるアダプタを使用しなければなりませんでした。
その点、窒化ガリウム充電器であればその問題もクリアできるのが良いですね。
また、高い処理能力を活かしてAIによって最適な給電を行うことができるアダプタが多く、デバイスをいたわりながら効率よく充電できるのも魅力的です。
窒化ガリウム充電器のデメリット
基本メリットが優勢な窒化ガリウム充電器ですが、デメリットも少しではありますが存在しています。
主なデメリットとしては、シリコン半導体を使用した充電器よりも、価格が高いという点があります。
シリコン半導体を使用した充電器の場合、高くても3,000円程度で購入できるのですが、窒化ガリウム充電器の場合はエントリーモデルであっても5,000円近くするのです。
もちろん、満足度もそれだけ高いのですが、安いアダプタを求めている方には向いていません。
また、高出力に対応しているUSB−Cポートだけというアダプタが多いので、現行iPhoneではまだLightningケーブルを用いているので変換ケーブルが必要です。
USB−Aポートを備えたアダプタもありますが、まだまだ種類が少ないのが実情です。
どんなメーカーが参入しているの?
窒化ガリウム充電器は、主要なメーカーは参入しておらず、主にシリコン半導体のアダプタを取り扱うメーカーが多く参入しています。
主なメーカーには、以下があります。
Anker
引用:Anker
Ankerは、コストパフォーマンスの高いガジェットを多く提供しているメーカーです。
ただ、お掃除ロボットも販売しているなど、意外と幅広い家電を製造しているのも特徴となっています。
窒化ガリウム充電器としても、いち早く取り扱うなど、すでに多くの実績を残しています。
AUKEY
引用:AUKEY
AUKEYは、先端技術を採用して信頼性の高い家電製品とスマートフォン周辺機器を生産しているメーカーです。
実用性の高いアイテムが多いので、購入してよかったと感じるものが多いです。
窒化ガリウム充電器でも、PD3.0ポートを2つ用意したモデルがあるので、iPadとMacBookを同時充電することもできるのが良いですね。
RAVPower
引用:RAVPower
RAVPowerは、主に欧米で人気を博しているブランドです。
株式会社ニアバイダイレクトジャパンという会社のブランド名となりますが、TaoTronicsやU.Spicyのブランド名でも有名な存在です。
30ヶ月以上の保証と日本語サポートしてくれるので、安心して利用することができます。
効率よく充電を行おう!
iPhoneは、せっかくの高性能さもバッテリーが不足しているとその性能を発揮できません。
今回紹介した窒化ガリウム充電器を用いれば、効率よくスピーディーな充電ができます。
少々効果ではありますが、十分購入する価値があるものですので、是非ご検討してみてはいかがでしょうか?