2020年12月、auは5G環境に向けた新しいプランを発表しました。
しかしauの発表は、多くのユーザーにとって望んでいたものではなく、きわめて厳しい批判を受けることに。
特に「安いように見せかけるため、わざと複雑なプランにしている」といった声は、たいへん多く聞かれました。
政府要人からも、「紛らわしくて残念だった」とコメントされる一幕も。
しかし2021年、auはさらなる新プラン「povo」を発表しました。
前月は大失敗したauは、今回の新プランで絶対に巻き返さなければいけません。
本記事ではpovoの概要や評判について、詳しく解説します。
2021年のau新プラン、「povo」とは?
(引用:povo)
別記事でもすでに触れていますが、まずはpovoのプラン概要を解説します。
povoは、月額2,480円/20GBが基本プランとなっています。
docomoの発表した「ahamo」より、500円安い設定です。
この時点で多くのユーザーは、「おっ、やるじゃん」と思わされた様子。
また発表を通して「紛らわしい」「不誠実」ととらえられるような部分はなく、比較的わかりやすくフェアな内容でした。
上記を基本として、
- 5分以内通話かけ放題(500円/月)
- データ追加(500円/1GB)
- データ使い放題24時間(200円/24時間)※デザリング対応
- 通話かけ放題(1,500円/月)
といったサービスを”トッピング”する仕組みになっています。
トッピングとはつまり、オプションに相当するものだと考えて問題ありません。
たった、200円で無制限に通信できる「データ使い放題24時間」などは、かなり強力だと言えるでしょう。
うまく使いこなせば、通信制限などで困らされる場面も減らせるはずです。
2020年に発表されたプランは、条件を満たさなければ基本料金だけで月額7,000円以上となる内容でした。
しかも条件の適用が必要なことを意図的に隠すようなプレゼンテーションであり、強い批判を受けていました。
その時点のことを思えば、今回の発表は大きく改善されたと言えるでしょう。
ちなみにpovo自体は、2021年3月からの運用が見込まれています。
au新プラン、povoの評判はどう?
結論から言えば、povoの評判は決して悪くありません。
少なくとも、2020年12月の発表で失った信頼は、ほぼほぼ完全に取り戻せていると感じられます。
Twitterでは、povoに対して以下のようなコメントがありました。
とはいえ現状、冷静になるなら音声通話一ミリも使わんな~ならpovoが良いし、LINEとの親和性を考えるならSBは強い。ahamoは先行エントリーがあったけどSBに追いつかれた。さあ、ここからどうなるのかといった感じです。
— う た (@Yawn_tf) January 28, 2021
ひとまず、au・SoftBank・docomoの三つ巴の状態には戻っている様子です。
選択肢に入れただけでも、以前の発表から相当取り戻したと言えます。
auのpovoの24時間200円で20GBの枠外での使い放題ができるやつ、例えば出張や旅行のときとかじいちゃんばあちゃんの家に泊まるけどみんな早寝しちゃったから映画でも見よか、なんてのがあったとしても200円で済むならめっちゃいいよね。ルーター要らずじゃん。
— 桜もち (@sakuramoffle) January 21, 2021
これは、トッピングに対するコメントです。
コメントのとおり、何か予想外のことがあっても200円で24時間使い放題にできるのは、かなり便利と言えるでしょう。
https://twitter.com/npcayu/status/1353123538081746944
実のところ、docomoとSoftBankも、やや不誠実なプレゼンテーションをしていました。
しかし、auだけがタイミングの問題で炎上したという意見ですね。
また、povoの登場で三者間でのパワーバランスが元に戻り、ユーザーからすれば綺麗な三択の状態になっています。
au新プランpovoを、武田総務大臣が批判?
一方で、またしても政府要人から批判とも取れるコメントがありました。
携帯電話事業についてもっとも影響力を持つ総務省トップである武田総務大臣。
1月15日に行われた定例会見で、武田総務大臣と記者の間で、以下のような質疑応答がありました。
記者:「auは(povoについて)最安値と言っている。しかし、通話料金を含めれば、実質は競合プラント横並びですが?」
武田総務大臣:「まぎらわしい発表だったと思います」
と、またしても発表の正統性や誠実度を批判するような趣旨の発言がありました。
しかし、(2020年12月の発表当時とは真逆に)ユーザーや有識者からは同調していません。
それどころかauをかばうようなスタンスにあり、むしろ「武田総務大臣の発言は不適切ではないか」といった批判が繰り返されました。
要するにユーザーは、povoには満足していたと考えられます。
これを受けた武田総務大臣は、1月19日に「(あの発言は)料金プランに対する指摘ではない。安くなるのはいいことだ」と釈明しました。
”では、何に対する指摘だったのか”という疑問は残りますが、今のところ政府がauの発表に対して違和感を感じているわけではないと感じられます。
auの新プラン、povoにデメリットはある?
とはいえ、povoにも多少のデメリットはあります。
具体的には、現時点で以下のような点が指摘されていました。
- キャリアメールには対応していない
- povoと端末のセット販売がない
- 家族割が適用されない
- 受付はオンライン申し込み
- auスマートバリューの割引が効かない
特に注意が必要なのは、キャリアメールが使えなくなる点。
つまり、「ezweb.ne.jp」で終わるアドレスは、利用できなくなるわけです。
もしメールを利用するのであれば、別なメールアドレスを用意しなければいけません。
ただし、主要なメッセージをLINEやSlackなどで行っている場合は、さほどデメリットにはならないでしょう。
そのほかについてはデメリットではありますが、いずれも影響は小さく、povo自体の評判を大きく下げうるものではありません。
まとめ
(引用:au)
前回の発表でユーザーから批判され、「さよならau」といったフレーズが飛び交うなどしました。
一方でpovo発表後は、「おかえりau」などと言われ、明らかに再評価されていることがうかがえます。
実際、今回のプラン詳細を見ても、docomoとSoftBankにも引けを取りません。
むしろ、互角以上に戦える強力なプランだと言えるでしょう。
今後は2,480円/20GBを基本線とし、さまざまな”トッピング”がオプションとして選択できるように進化していく予定です。
さらに今後は、SNS閲覧など、時代にフィットするような新トッピングが考案されています。
トッピングメニュー次第では、auがdocomoとSoftBankを圧倒してしまうかもしれません。