2022年、Appleは円高の影響を受けてiPhoneシリーズを値上げすました。
さらに9月の発表会ではiPhone14を公開。しかし端末価格は最高で20万円以上となり、「いくらなんでも高すぎる」と言われる場面もありました。
2022年10月14日現在、たとえばiPhone14Pro128GBモデルは164,800円と、ちょっと驚くような価格帯です。
ナンバリングを追うごとに、あるいは社会情勢に応じて値上がりが続くiPhone。一部では、「もうすでに高級品」とまで言われています。
なぜこれほど高価になったのか、その理由を解説します。
iPhoneは日本にとって高級品になった背景と、安く利用するためのポイント
iPhoneが日本にとって高級品になった理由はいくつかあります。
2022年前後の値上がりについては、このふたつでおおむね説明がつくでしょう。
特に円安は露骨に影響が出ました。ロシアによるウクライナ侵攻が問題となった直後、圧倒的な円安ドル高の為替レートが発生。
そしてiPhoneがやむをえず値上げを発表。これで2割から3割ほど価格が上がってしまいました。
2022年10月14日現在も1ドル148円と、およそ32年ぶりと言われる円安状態。これが平時の状態まで戻るまで、相当の時間を要するでしょう。
つまりiPhoneは、しばらくの間高値がつくと予想できます。
そもそも日本の収入水準が低い
為替や半導体不足の問題は、たしかに2022年度の最新トレンドとして、iPhoneの値段に関係しているでしょう。
しかしそれ以上に根深い問題として、「そもそも日本の収入水準が低い」点が挙げられます。
ここで、米国と日本の平均年収と、iPhone14 128GBモデル比較してみましょう。米国のデータは日本円に換算します。
米国 | 日本 | |
平均月収 | 663,379円 | 337,200円 |
iPhone14 128GBモデルの価格 | 131,313円(全米平均) | 119,800円(税込) |
実はiPhoneの価格は米国よりも日本のほうが圧倒的に格安です。
問題は日米間で倍ほどに開いた平均月収と、それぞれでの価格の関係。
平均的なアメリカ人は、月収の2割ほどの負担でiPhone14を購入できます。一方で平均月収を稼いでいる日本人は、月収の3割をiPhone14の購入資金に注ぎ込んでも、まだ足りません。
つまり日本人の収入水準が低いので、相対的にiPhoneが高級品になっているという側面もあります。
iPhone14は高すぎて売れていない
iPhone14に関して言えば、価格の問題で日本では売れ行きが芳しくない部分もあります。期待したようなニーズがなく、Appleが増産を断念したという情報まで出てきました。
後述するようにiPhone14は無印やPlusなら、まだなんとか手が出せなくもないのですが、型落ちやリユースのリーズナブルさがライバルになっています。
わざわざ新品かつ最新のものを選ぶのはぜいたくすぎる選択肢で、もう少しランクを落として費用をおさえるケースが多いようです。
日本人にとってスマートフォンといえばiPhone
また日本人にとってiPhoneが、もっとも有力なスマートフォンであるのも関係しているでしょう。
日本でのシェアは日本でのiPhoneのシェアは65.37%(2022年10月14日現在)。Androidとは圧倒的な差が開いています。
一番人気の企業が、高い価格をつけられるのは当然です。しかも、ただ一番ではなく、ダントツの一番、むしろ高価格でなければ、「会社として大丈夫なのか?」と疑いたくなるようなレベル。
もしAndroidが相当頑張って、シェアの差が縮まれば価格競争で安くなるかもしれません。しかしこのバランスを見る限り、しばらくはそれも期待できないでしょう。
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ハイエンドとミドルレンジ
iPhoneが高級品になったと言いますが、「ハイエンド」と「ミドルレンジ」というラインナップの考え方からすれば、高級なのはある意味当然とする見方もあります。
ハイエンドは、その企業においてもっとも高級な製品のこと。対してミドルレンジは「そこそこ」の製品を意味します。
Appleの場合、たとえばiPhone14シリーズのProとProMaxは一般的にハイエンドモデルに相当。これらは高ければ20万円以上ですが、そもそも高級品として設計されているので高価なのは当たり前です。
そしてiPhone14無印、Plusがおおむねミドルレンジに該当します。このあたりは安ければ119,800円(税込)。たしかに高いは高いのですが、「手の出しようもないほど高級品」とは言えない部分もあるでしょう。
ただラインナップのレベルを知らずにハイエンドモデルの価格だけが一人歩きし、さも「iPhoneのすべてが高級品」と誤解されている部分は感じられます。
つまりモデルさえ正しく捉えれば、高級品かどうかはさておき、まだ現実的なレベルでiPhoneを購入することは可能。型落ちやリユース品が受け入れられるなら、なおのこと安くなります。
ナンバリングシリーズが高いならSEがおすすめ
(引用:Apple)
本記事ではiPhoneが高級品になりつつある背景を解説しました。
円安や半導体などの原因はもちろん考えられます。しかし根本的に日本の年収水準が低く、相対的にiPhoneが高級品として定義されるようになった側面もあるでしょう。
もしiPhone14などのいわゆるナンバリングシリーズが高すぎると感じるなら、iPhone SEシリーズがおすすめ。
最新のSE3でも、62,800円(税込)から購入可能です。SE2などで妥協できるのであれば、価格は大した問題ではないでしょう。
またチップがiPhone14無印・Plusと同格だったり、バッテリーやカメラが進歩していたり、機能面でも優秀。円安などの影響があるなかでは、無理にハイエンドモデルを狙うのではなく、iPhone SEシリーズで収めておくと将来的に得かもしれません。