5Gが普及しつつある昨今ですが、電波は飛んでいることが目に見えるわけではありません。
その性能を感じ取るためには、対応デバイスを用いて実際に受信するしかないのです。
インターネットに関わる電波だけでも、多くの種類があるのですが、その中でWiMAXという回線が年々基地局を拡大中です。
WiMAX自体は最近出来た回線ではないのですが、インターネットをより詳しく知っている人にしか知名度がないのが実情です。
そこで今回は、WiMAXと呼ばれるサービスについて再確認していきたいと思います。
そもそもWiMAXとはどんなもの?
はじめに、WiMAXの基本的な情報について解説します。
WiMAXとは、Worldwide Interoperability for Microwave Accessの略となります。
実際には、携帯電話の3GやLTEなどと同じく、無線通信技術規格の一種です。
だが、細かい規格として3GやLTEとは大きな違いがあるのです。
携帯電話の電波はGPP(Third Generation Partnership Project)と呼ばれる団体が規格がが標準化されていますが、WiMAXにおいては無線LANの標準化を行っていることで知られている、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)が規格化を行っているのです。
WiMAXの中でも、固定通信向けのWiMAXとスマホやモバイルルーターなどのモバイル向けデバイスで使用できるモバイルWiMAXがあります。
日本では、モバイルWiMAXを用いたサービスについて、UQコミュニケーションズがUQ WiMAXというサービス名で2009年から回線を提供しています。
よって、すでに10年以上の実績があるサービスとして有名です。
UQコミュニケーションズは、KDDIと密接な関係があることでも知られています。
WiMAXの特徴は?
WiMAXは、LTEや5Gとはまた違った種類の電波を使用しているのですが、それによって様々な特徴を持っています。
主なWiMAXの特徴としては、次のような点があります。
通信範囲が広い
WiMAXは、元々人口希薄地帯を始めとして、LTEなどの高速通信回線の利用が困難な地域において、高速通信を可能にするために開発提供されているサービスです。
今でも、その特徴を活かして自宅だけでなく外出先でも幅広く高速通信を可能としています。
LTEの通信エリアにおける人口カバー率が75〜96%とキャリアによって異なるのですが、WiMAXの人口カバー率という観点で見ると約94%となります。
後述しますが、まだまだ範囲の拡大が見込まれており、カバー率はより100%に近づいていくのは間違いない状況です。
現行のWiMAX 2+と呼ばれる規格では、2.4GHz帯/5GHz帯の2つの周波数帯域を使用しています。
2.4GHz帯と5GHz帯でそれぞれ特徴が異なるのですが、2.4GHz帯はどちらかと言えば障害物に強いものの速度としては若干劣る傾向があります。
また、最近では家電などでも使用されている電波帯ですので、干渉しやすいという難点もあるのです。
一方で、5GHz帯は山脈やビルなどの障害物に遮られやすいという難点はありますが、通信速度としては圧倒的に早いという特徴があります。
WiMAX 2+では、この両者のメリットを組み合わせて、より快適な通信が可能となっています。
サービス提供範囲としても、うまく補完し合うことでより広範囲でのサービスが可能となっているのが魅力的です。
高速通信が可能
WiMAX 2+では5GHz帯を使用することで、下りで最大1.2Gbpsという高速通信が出来ます。
インターネット速度は、あくまでもベストエフォート方式での理論値で表示されているために、この速度が常にマークするわけではありません。
ただ、5Gには敵わないもののLTEよりも高速な通信ができるのです。
一般的に普及している光回線の1Gbpsよりも早いということで、モバイルではなく自宅での固定回線代わりに利用するという方も多いです。
また、WiMAXの場合は他のモバイルWi-Fiサービスと違って、利用制限が緩めに設定されています。
一昔前までは制限がなく利用できていたのですが、現在は3日間で10GBに制限されています。
但し、規制時間が18時から26時までとなっており、昼間は実質規制はありません。
3日間で10GBというと、毎日2時間の映画をインターネットで視聴しても足りる数値であり、ヘビーユーザーでない限りは制限無しで使用できるレベルです。
使いたい放題で高速通信も可能なので、とても魅力的なサービスです。
auケータイ利用者は割引サービスもある
WiMAXはauと密接な関係があり、auのスマートフォンとセットで割引される、スマートバリュー mineを適用できます。
対象のデータ(パケット)定額サービスと、対象のWi-Fiルーター(Speed Wi-Fi NEXT W06、Speed Wi-Fi NEXT W06等)をセットで利用というのが、適応条件です。
割引額は月額最大1,000円と魅力的であり、多くの利用者を獲得しているのには納得ですね。
3年契約が必要
便利なWiMAXは多くの事業者がサービス提供しています。
便利な半面、利用する上で注意したいのは原則3年契約で利用しなければならないという点です。
もし契約途中で解約する場合は、高い違約金を支払う必要が生じます。
これは、3年使用し続けて契約更新した後も同じで、違約金が必要となるので気軽に登録して失敗しないように注意しましょう。
今後もWiMAXは成長し続ける!
WiMAXを提供しているUQ mobileは、2020年10月にKDDIに統合されます。
この発表は2020年5月になされていますが、その中でWiMAX通信における5G等の技術進展への対応や、市場ニーズの変化に応じたサービスおよび端末の開発に取り組むことを宣言しています。
特に注目は、5Gへの対応でありより高速な通信を行えるサービスに進化する可能性が高いです。
また、2020年7月30日にはWiMAX 2+を提供している屋外基地局数が、全国累計で40,000局を突破しており、勢いがあるサービスとなっています。
WiMAXに注目しよう!
WiMAXは、今後も確実に進化を遂げるサービスであります。
まだ利用されていない方は、まずはWiMAXの特徴を知って場合によっては乗り換えるというのもおすすめですよ。