5G導入により、三大キャリアはそれぞれ新プランを発表しました。
SoftBank、docomoはかなり魅力的なプランを考案しており、すでに多くの注目が注がれています。
一方で、auの新プランにはたいへん厳しい意見が寄せられていました。
- 「auの新プランはひどい」
- 「ユーザーをだまそうとしている」
- 「au、さようなら」
などと、散々な言われようです。
要するにauは「炎上」してしまっており、Twitterでもトレンドに入るほどの騒ぎとなりました。
本記事では、auの新プランがなぜ炎上を招いてしまったのか、詳しく解説します。
auの新プランはどんなもの?
まずは、auの新プランについておさらいしておきましょう。
問題があったのは、「データMAX 5G with Amazonプライム」という名称のプラン。
同プランは、要するに、 Amazonプライムつきの格安SIMを月額3,760円で利用できるプランです。
ただし月額3,760円の価格を実現するためには、
- with Amazonプライムに登録する
- 固定回線を利用する
- 家族4人以上がau回線を利用する
- 50GBプランにともなうキャンペーン利用
など、数多くの条件をクリアしなければいけません。
仮に何の条件もクリアしないなら、月額料金は9,350円となります。
auの新プランは、なぜ炎上を招いたのか?
auの新プランが炎上した理由としては、
- ahamoとの比較がなされた
- 割引条件が厳しすぎる
- 料金プランのプレゼンテーションが不誠実
といった3つの理由が絡んでいます。
下記で、それぞれについて詳しく解説します。
ahamoとの比較
まず、docomoが発表した新プランと比較されてしまったことが、炎上の直接的な原因になりました。
auの新プラン発表日の1週間前、docomoは新プラン「ahamo」を発表。
ahamoは、なんと「20GBのデータ通信量を月額2,980円」という、かなり強烈なプランです。
この発表に対し、利用者は基本的には好意的な評価を見せました。
中には、「新時代の始まりだ!」などと騒ぐ人も。
そしてahamoの発表から6日後、auでの新プランが発表されます。
この段階でユーザーが期待したのは、「ahamoに対抗しうる新プランが発表されること」。
ahamoほど衝撃的ではなくても、最低限ahamoに近いものが出てくるはずだと考えていたのです。
しかし、auが発表したプランは、上述のとおり月額9,350円というやや高額なものでした。
さらに後述する不誠実な説明や割引条件の厳しさもあり、ユーザーからしてみれば「話にならない」レベルの新プランだったのです。
docomoの発表を受けて、auはおそらく「このままでは対抗できない」とは、当然ながらわかっていたでしょう。
しかし新プラン発表日までに軌道修正することがかなわず、止むを得ず予定どおりに発表したものだと思われます。
割引条件が厳しすぎる
また、割引条件が厳しすぎることも炎上の原因と言えます。
auにおける新プランのポイントは、「 Amazonプライム込みの5Gを、月額3,760円」で利用できるということ。
しかし月額3,760円まで落とすためには、先ほども解説した
- with Amazonプライムに登録する
- 固定回線を利用する
- 家族4人以上がau回線を利用する
- 50GBプランにともなうキャンペーン利用
などの条件をクリアしなければいけません。
ahamoは「条件なしで月額2,980円」というサービスと比較すれば、あまりにも見劣りします。
Amazonプライムのある無しなど、まったく気にならないレベルです。
料金プランのプレゼンテーションが不誠実
また、プレゼンテーションが不誠実だったという点も否めません。
auの新プラン発表は、最初に「月額3,760円で利用でき、しかも Amazonプライムが見放題」という触れ込みからスタートしました。
ここまでであれば、ahamoとよい勝負ができたでしょう。
しかし3,760円という価格を出した後から、先ほど触れた「厳しすぎる割引条件」を後出ししてしまったのです。
よってユーザーからは、
- 安く見せかけようとしている
- ユーザーを騙そうとしているので、気に入らない
- 結局新プランは、顧客を囲みたいだけ
というような、たいへん厳しい評価が寄せられてしまいました。
「先に最安値を伝えて、利用条件などは後から伝える」という不誠実な手法は、すべてのキャリアに共通して見られる悪い癖です。
何年も前から「その手法はやめろ」と政府から言われ続けていたのですが、このタイミングで改善を示さなかったのは致命的でした。
auの新プランは、もう一度発表される
上記のとおり、auによる新プラン発表は、かなり厳しい評価を受けるに至りました。
それよりも優秀なプランを擁するdocomo、SoftBankが存在する中、わざわざauの新プランは使うまでもありません。
しかし、auの高橋誠社長は、「2021年1月に、もう一度新プランを発表する」と述べています。
つまり、上記の新プランからはガラリと変わったものが提示されるかもしれないのです。
1月発表に新プランには、かなり期待が持てます。
auも、今回の炎上で懲りたことでしょう。
ahamoの登場で、「ユーザーからは何を求められているか」は、すでに理解しているはず。
不誠実な料金プランの案内が通用しないことも、身に染みていて学んでいるでしょう。
この経験を踏まえて、仕切り直されることに期待したいところです。
まとめ
今回の炎上は、auユーザーにとって大きな問題となりました。
auからしてみれば、やや不運な部分もあったでしょう。
直前にdocomoが強烈なインパクトを持つ新プランを公開し、auに対して高いハードルを作ってしまったのです。
とはいえ、au自体にも問題があります。
まず、 Amazonプライムがついてくるとはいえ、月額料金ではahamoに負けていました。
さらに月額料金を安くするためには、「家族全体がauに加入する」「キャンペーンを利用する」など、数多くの条件をクリアしなければいけません。
その条件が目立たないようにしながら「3,760円」という数字だけを振りかざしたのは、やはりユーザーからの批判が集まってしかるべき。
とはいえ、2021年1月にもう一度新プランの発表があることを、auの高橋誠社長が明言しています。
次回発表では、よりユーザー目線に立った誠実な新プランの公開が望まれます。